狐崎浜訪問
午前中に、狐崎浜に野菜を届けました。
Aさんに電話で担当の方に連絡していただいたので、その方にお渡しすることができました。
「遠い所からわざわざありがとうございました」と感謝されました。
その後、区長さんを探して地区対策本部や港を周りました。
区長さんにお会いし、26世帯分の野菜を置かせてもらったことをお伝えしたところ、難しい顔をされました。
お話を伺ってゆくうちに、その理由が明らかになりました。
狐崎浜は確かに26世帯100人だけども、対策本部は周辺の他の浜と合同で設置していて、全体で300人いる。
支援物資はそこで配分されていて、一部の地区だけが独自に支援を受けているのは問題があるそうです。
実際に以前にそのようなことがあり、本部から指摘されたこともあるとおっしゃっていました。
支援するなら対策本部とやってほしいと言われました。
現状については、電気はあるが、水道はまだ。
震災後2ヶ月が経とうとしており、支援物資が減ってきている。
おむすびと水ぐらいになってきている。
本部に申請しているがなかなか通らない。
車がある者もいて、町に買いだしにいくこともできるが、漁ができない(宮城県が5月末まで禁止している)ので、収入がない。
明日まで日本財団のボランティアが入っていて、港の片付けをしてくれている。
食料が少ない状況もあり、住民の方には喜ばれたが、本部との調整をしながら住民の苦情を聞いている区長さんは板挟みで苦悩は深いようでした。
「支援するなら本部とやってほしい」とはっきり言われた。
5月5日昼からは、船越集落に今回の滞在中3日連続で4回目になる訪問しました。
三陣で訪れて気になっていた集落です。
やっとリーダーと出会うことができてお話を聞かせて頂きました。
雄勝町の船越集落の中里さんのお話。
5月5日、1時半から2時半までお話をうかがう。
船越集落では26人が集落に戻っていて電気が10日に復旧する予定。
水道は復旧していないが、湧き水があり煮沸して飲み水として使っているので不自由はない。
中里さん宅をはじめ、まわりの家屋は津波から免れたため、津波後は20人程が中里さん宅に寝泊まりして生活をしていた。
その後の数日は、中里さん宅周辺の家屋も使用し、5人ずつぐらいに別れて生活をしていた。
道が通ったため買い物に行ける状況であり、食料の調達には困っていない(そのため持ってきた食材は渡していない)。
中里さんは、漁師であり船の写真を見せてくれるという話になり、家の中でお話を伺うことになった。
中里さんはサケ獲りを主とした漁師であり、その他にも季節により色々なものを獲っている。
集落では、牡蠣、ホタテ、ワカメの養殖や、6月にアナゴ、冬にたこ、ウニ、アワビなどが獲れ、豊かな漁場となっている。
集落には百隻を超える船があったが、全部の船を津波で失った。
集落の航空写真をもとに津波前後の様子を教えてもらった。
津波発生時、中里さんは高台から様子を見ており、漁協センターの建物の屋根から海水が吹き上がった状態に驚いたとのこと。
中里さんも船が三艘すべて流された。
家の全壊は100万円の補償があるが、中里さんにとって家よりも大事な船の損失に関する補償はなく、憤りを感じているようであった。
船がないと、仕事が再開できないため、船大工がいればボランティアでも有料でもいいので来ていただきたいとのこと。
他には漁具を回収や片付けなどの作業を手伝ってほしいとのこと。
また、福島の原発についてもとても心配しているとのことです。
一部の地域が漁を再開させるからと焦って漁業を再開するのではなく、地域の漁業の足並みをそろえてゆっくりスタートさせたいという想いがある。
今回の地震で本当にたくさんの人から支援をいただき感謝していることを伝えたいとおっしゃっていた。
最後に、お土産としてカジキマグロの角と、ガラスのウキ玉をいただいた。
カジキマグロの角は大切な物ですからと何回もお断りしましたが、team SAKEのシンボルにしてはどうかと薦めていただき、最後にありがたく頂きました。
この地域は海が豊かで漁師として食べていくのに困らず本当に過ごしやすいが、若者が少ないため是非来てほしいとの言葉は、中里さんのこの地域に対する愛着が感じられてとても印象的であった。
5T組 つよし、エノキ、むとう、739
チームサケ:集落のための東日本大震災復興支援サイト
team SAKEは、人・モノ・技術・知識などを通じて、三陸のみなさんの「望み」が少しでも実現するよう動いています。
集落を訪問し、対話を通じてそれらの「望み」に触れながら、それを全国のみなさんと共有し、御協力いただきながら、形にしていくプロセスに関わっていこうと思います。
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