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火曜日, 5月 3

片岸町 室浜(むろはま)でのこと

釜石市 片岸町 室浜(むろはま)

 集落全体が壊滅的な被害を受けた地域。道端で休んでいる2人(Aさん、Bさん)に声をかけると以前この地域に住んでいた方だった。お話をしていると、ある奥さん(Cさん)もやってこられた。Cさんは被災後、初めての訪問だという。あまりの惨状にショックを受けている様子。


 現在の状況は、Aさん:避難所生活、Bさんは長男の家に避難、Cさんは仮説住宅が決まるまでの一時的な部屋を借りた直後とのこと。震災直後は皆、同じ避難所にいたとのこと。
調味料、生活雑貨をお渡しして、非常に喜んでいただけた。洗濯ばさみや鍋ややかん、衣料品なども喜んでいただき、そんなに物資が行き届いていないのかとこちらが驚くほど。
3人それぞれ、被災直後の生々しい体験をお話された。

 Cさんの話
地震後、貴重品や食料を車に積んで逃げたが、波が来た。車から出て、高台にある神社へ向かうが、高齢の母親と一緒で、早く逃げられない。お堂の裏で足元まで水が来る。もうダメと思ったが、周囲の人から「がんばれ!」と励まされた。そのうちに足下から水が引いていった。避難した神社の裏山にも山火事がせまった(大槌町のほうから火事がまわってきた)ので波が引いたあと、瓦礫の中を逃げた。

 Aさんの話
高齢の方3人を連れて逃げなければならなかったため、多くの人が逃げた谷沿いではなく、近くの高台へ逃げた。そのおかげで助かったのだと思う。谷沿いに奥へ逃げた方は犠牲になった。

 ABCさん、口々に話された話。
谷の両側の高台神社がある。その夜は「おーい、おーい」と、お互いに声をかけあった。最初はもう涙もでない、震えしかなかった。最近になってようやく、こうして人の親切のありがたさを感じる時に涙が出るようになった。震災直後の食事は、ラップにもつつまれていない小さなおにぎり一つだった。一週間同じ靴下を履いていた。女性でも男性用の下着を使うしかなかった。今までどれだけ贅沢していたかを感じた。
普段買物をしている大槌町は壊滅状態なので買物ができない。自分の家もないのでお金もない。最近やっとローソンが再開した。

 最も被害が大きい地域の一つで直接に被害にあわれた方々からお話を聞き、3月11日を境に、何もかもが変わってしまったことを痛々しく感じる。季節はかわるが、時計の針はどこかで止まったまま。がれきの山に向かって、手を合わせる。残された者に何ができるのか、問い続けることになるのだと思う。

team SAKE 5A

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