5月4日
桑ノ浜へ。Mさん宅に伺い、奥さんとお話する。自己紹介をすると「ああ、鮭ね」と思い出してくださる。避難状況は変わらず。地域の人と一緒にご飯を作り、食べている。足りない調味料は、と伺うとお酢とおっしゃる。お酢、八ッ橋、お酒、黒豆、バリカン、子供用鉛筆をお渡しする。電気は来たそう。遠野から美容師のボランティアが来て上を切ってもらったとのこと。海を眺めながら「(海の)仕事ができないからねえ・・・」とつぶやくようにおっしゃる。
もし人手が必要な作業があれば、と申し出ると「それじゃあ聞いてくっぺか」と腰をあげ、近所のMさん宅へ。「奥さん、ボランティアの人が来てるって。何か手伝ってもらうっぺか。この人たち、何遍も来てくれるんだ。」と紹介してくださる。老夫婦が二人、家の片付けをしている最中。「それじゃあ金庫を運ぶのを手伝ってもらうっぺか」と。重いので二人では運べない。「午後までここにいると疲れる」と奥さん。急遽、西山家で作業している男性陣(西村・なみきゅう・武藤)を足立が呼びに行く。
西尾は残って作業を手伝う。散らかった部屋の中で「もう私、何をしていいのかわからない」と奥さんはおろおろされている。「私がきれいにしていたのに、こんなになってしまって」と嘆かれ、涙目で押し入れを整理。「これはいらない、これもいらない・・・」。
段ボールの箱を作ったり、食器を片付けたりするうちに、段々とお話をされる。震災後は5日くらい孤立して、ヘリで救助されて大変だったこと。台所や居間は無事だったが、下の部屋にあったものはすべて津波に持って行かれたこと。現在は避難所(釜石高校)で生活し、今後仮設に移る予定とのこと。電気も来ず薄暗い部屋の中での作業は気がめいってくるが、「ここはへんぴなところでしょう、だから買いおきがいっぱいあるのよ」と、はじめて笑顔が出る。妹を始め、家をすべて持って行かれた近所の方々に分けてあげたいと、台所用品などを大量に梱包される。奥さん自身はお茶やお花が趣味で「今はPCに夢中。ようやく油にのってきたってところだったのに・・・」と。
震災で暮らしが激変し、先が見えない不安を感じておられることをひしひしと感じた。
team SAKE 5A ゆうゆ
チームサケ:集落のための東日本大震災復興支援サイト
team SAKEは、人・モノ・技術・知識などを通じて、三陸のみなさんの「望み」が少しでも実現するよう動いています。
集落を訪問し、対話を通じてそれらの「望み」に触れながら、それを全国のみなさんと共有し、御協力いただきながら、形にしていくプロセスに関わっていこうと思います。
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