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水曜日, 5月 4

釜石市内の食堂でのこと

 釜石市内の食堂のご主人に話を聞いた。

 まだ周囲の店は開いていないので、店は工事関係や地元の人でにぎわっている。夜の仕込み分も昼時で終わってしまうほど忙しいという。幸いのところ、店に津波の被害はなかった。店の前を被災者が通るので、震災二日後からお茶を無料で配りはじめた。孫くらいの子どももお茶を飲みにくるので哀れに感じ、それから炊き出しも。給食用の肉の在庫を使ってカレーやトン汁を作った。電気やガスもないので、燃料は炭、カセットコンロで。


 震災直後の様子や、これからのことを話される。

 携帯の緊急地震速報が来てすぐに地震が来た。その後の津波情報は3メートルで、皆なめており、避難しない人も多かった。だが、(ご主人は)チリ地震の経験から、これだけ大きな揺れならば津波が来るだろうと思って避難した。少し高台に住んでいた知人は、嫁が逃げようと訴えるにもかかわらず、「大丈夫」と逃げず流されてしまった。一人で逃げた嫁だけが助かった。第一波より第二波が大きく、スーパー堤防が二波目でくずれたのが高台から見えた。一波目の後で戻った人(通帳などをとりに戻った)は巻き込まれてしまった。

 震災後は防災無線が機能せず、情報が入ってこなかった。家族と連絡がとれたのは5日後。もう身内はだめだろうと観念していた。遺体を引き取りにいったが、身内でもわからないほどの状態。洗濯機に入ったような感じで衣服もやぶれている。
まだ余震が多い。震度5にもなれた。防波堤がないので、次に大きい地震がきたら終わりだろう。
 震災のことを話し始めると、止まらない様子で話される。身内を多くなくされながらも、炊き出しをはじめ、復興に向けて働くご主人の様子に頭が下がる思いがした。ご主人の作るヒレカツ定食は、元肉屋さんというだけあり、やわらかくて絶品。多くの人を元気づけていることと思う。

teamSAKE 5A

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