毎日新聞5月30日版に、箱崎白浜の記事が掲載されました。
ウェブ上でも「毎日jp」において、閲覧することができます。
■東日本大震災:大雨で集落孤立の恐れ 釜石・白浜地区
team SAKE 足立
~~~以下掲載記事~~~
東日本大震災:大雨で集落孤立の恐れ 釜石・白浜地区
東日本大震災で被災した岩手県釜石市箱崎町の白浜地区では、お年寄りを中心に避難所から自宅に戻る人が出始めている。しかし、集落につながる唯一の市道は路肩が崩壊し、梅雨や台風による雨の影響も心配だ。地盤沈下のため高潮で冠水する恐れもあり、このままでは孤立化しかねない。【黒田阿紗子】
東北地方は30日、温帯低気圧と前線の影響で風雨が強まった。箱崎半島の先端、白浜地区に向かう道路は立っているのがやっとで、道路には波が打ち寄せ水しぶきが立っていた。
市中心部から約15キロ離れた同地区では115世帯のうち60世帯が津波被害を免れた。
「やっぱし住み慣れた土地が一番。父ちゃんの体調もまず、いいみたい」。4月末、漁業の佐々木シゲ子さん(68)は肺がんを患う夫(77)とともに、いち早く地区の山手の自宅に戻った。
津波で、半島は付け根部分まで壊滅状態となった。地区は孤立し、全世帯が自衛隊のヘリコプターで内陸の市民体育館へと避難した。夫は不眠を訴えるようになり、4月に入って口癖のように「帰るべし」と繰り返し、帰宅を決断したという。
以前の暮らしとはほど遠い。2隻の漁船は流され、収入はほとんどない。最大の不安は半島を縦断する一本道の市道だ。道路に沿った広大な砂浜が津波でさらわれ、一部区間は道幅が半分に削られてしまった。地盤沈下で高潮になると通行できなくなる恐れがある。
地区に店はなく、市道を通らなければ買い物にも行けない。避難世帯もあり、隣近所は留守だ。「夜は不気味なほど暗くて心細い」
だが、市防災課の担当者は「代替道路や防潮堤の整備を検討する必要があるが、見通しは立たない」と話す。
一方、佐々木寿子さん(40)は自宅は無事だったが、避難所暮らしを続ける。戻っても小学5年の長女(10)と4年の長男(9)が学校に通うには、一本道を避けられない。「冠水して家に帰れなくなったり、スクールバスが事故に巻き込まれないか心配」。地区外の仮設住宅の入居を申し込んでいる。
県はこうした事情から、白浜地区の住民は被災していなくても仮設住宅の入居を認める方針だ。町内会長の佐々木孝郎さん(63)によると、子どものいる世帯のほとんどが仮設への入居を希望しているという。孝郎さんは「しばらくは年寄りが白浜を守っていかねば」と語った。
毎日新聞 2011年5月30日 11時16分(最終更新 5月30日 12時19分)
チームサケ:集落のための東日本大震災復興支援サイト
team SAKEは、人・モノ・技術・知識などを通じて、三陸のみなさんの「望み」が少しでも実現するよう動いています。
集落を訪問し、対話を通じてそれらの「望み」に触れながら、それを全国のみなさんと共有し、御協力いただきながら、形にしていくプロセスに関わっていこうと思います。
ENGLISH version
0 件のコメント:
コメントを投稿
※お願い:【募集中】の記事にコメントをする場合は「このブログの使い方」を読んでからコメントをお願いします。