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火曜日, 5月 3

船越半島 漉磯(すくいそ)でのこと

 漉磯(すくいそ) Aさん宅

 椎茸栽培の盛んな山の山頂近くに一つだけある家をおたずねすると「まさかここまでくるとは」と驚かれつつ、喜んでくださる。「ゴールデンウィークで関東から娘がきていたが、昨日帰って少し落ち着いたところ。今までは必要なものを聞かれても落ち着いて考えらない状態だった。これからそろそろ、先のことをゆっくり考えたい」と。腹巻帽子をお渡しすると、「暖かくなってもかぶりたい」と笑顔に。元々この土地で育ったが、子どもの通学のため山田町中心部に住んでいた。被災して家を流され、実家に戻ってきたそう。「戻ってくる、ということになっていたのかなぁ」と遠い目をされる。

 調味料や下着などをお渡しした後、日の当たる庭で桃の花を眺めながらお茶をごちそうになる。「被災者同士でどちらが被害が大きいか比べてしまう。協力しなくてはいけないのに狭い中で比較してしまい、突き抜けることができない。外から見てみたい。」と話される。

 「お年寄りは昔の教訓で助かった人が多いが、若い人には伝わっておらず犠牲者が多かったんじゃないか」。地震も津波も自然災害が大きくなっているように感じている。関東で働く娘には、「どこにいても何があるかわらないから、どこに逃げたらいいのか、高い所を確認しておくように」と言い聞かせたそう。「ここはいいところでしょう。もし関西でなにかあったときには、ここに来たらいいわよ」と。



 山田町はしいたけとまつたけが自慢。日本一だと思っている。もっと上手に周知ができればと思っている。これから、苦手だけれどインターネットを始めようかな、それを今年の目標にしようかな、とおっしゃる。
 のどかな山の上のこと、まさかここまでは被害が及んでいないだろうと予想した上での訪問だった。だが、思いがけず被災者の方と出会いお話することができた。「被災者」と一口にいっても、様々なケースがあること、ゆえに様々な支援の形があることを知り、山田町を後にする。

team SAKE 5A ゆうゆ

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