船越集落の中里さんから、「雄勝の水浜・分浜・波板の3部落が解散した」との連絡を頂きました。集落としての復興をあきらめたということを意味するので、とても残念なお知らせです。
また、以下の報道にある全戸が被災した牡鹿半島の大谷川浜はじめ、この地域には非常に厳しい状態にある集落が他にも多数あります。
■「元には戻らない…」 残ったのは5人だけ 住民移転で集落消滅の危機(msn産経ニュース)
雄勝半島・牡鹿半島周辺では、現在集落の消滅が進行しつつあるようです。いよいよ始まったか、という感じです。
このような状況を少しでも食い止めるためにこれまで動いてきたこともあり、予期してはいたことですが、無力感で一杯です。
各集落がその場所に存在し、人々がそこで生活されてきたからこそ伝わってきた知識・文化や自然との接点の一つ一つが失われていくことが、残念でたまりません。生物が絶滅していくのと同じような感覚です。
こうした中で、船越のように自主的な復興の動きがあることは、非常に力強いニュースですし、現在揺れ動いている他の集落に与える影響も少なくないと考えます。
また、復興の動きを小渕浜や船越だけに留まらせないよう、SAKEの各メンバーも至急動くべき時だと思います。このことを外部に発信していくことは、「モデルケースになろう」という中里さんらの意気込みとも通じるものがあろうかと思います。
現時点で大切なのは、コミュニティーとしての集落住民のつながりの維持だと思います。家が被災した状況でこのまま集落に住み続けるのは現実的に無理だとしても、条件さえ整えば戻ってこられるように、復興までしばらくの間、どのようにつながりと気持ちの維持をしていけるかが、各集落が生き残っていく上での課題でしょう。被災前の時点で集落に住んでいた方々は、本当は都市の一無住人としての暮らしを望んではいないはずですから。
私は第6陣での船越訪問時、中里さんらの「船越でやっていきたい」という気持ちを後押しする形で「船越で復興すること」の大切さを説明したつもりですが、今後は各集落での対話の仕方も「必要なものありませんか?」という聞き出し方から、「集落で暮らしていくためにどうしたらいいか」を汲み取りながらそれを勇気づけていけるような、次のステップに変えていきましょう。
team SAKE 足立
チームサケ:集落のための東日本大震災復興支援サイト
team SAKEは、人・モノ・技術・知識などを通じて、三陸のみなさんの「望み」が少しでも実現するよう動いています。
集落を訪問し、対話を通じてそれらの「望み」に触れながら、それを全国のみなさんと共有し、御協力いただきながら、形にしていくプロセスに関わっていこうと思います。
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