河北新報6月6日版に、宮城県震災復興会議の記事が掲載されました。
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■職住分離に異論噴出 復興計画1次案提示 宮城県会議
会議の席上、宮城県知事は三陸海岸での「職住分離」を進める復興方針を示したのに対し、複数の委員が「コミュニティ分断につながる」などとして反対意見を出しました。
私はTeam SAKEでの活動を通じて、集落に住む人々が、どれだけその土地とつながりを保ちながら生活してきたのかを実感してきました。また、集落コミュニティ内で維持されてきた顔の見える関係が、震災時にどれだけの人命を救ってきたかも、つぶさに見聞きしてきました。
集落に住む多くの人にとって、集落コミュニティは生活の基盤であるばかりでなく、人生そのものであると思われます。「宮城モデル」として発信されるものが、果たしてどのような形となるのか、集落の人々の現実からかい離した考えで策定されていかれないか、注意深く見守っていきたいと考えています。
team SAKE 足立
~~~以下掲載記事~~~
職住分離に異論噴出 復興計画1次案提示 宮城県会議
宮城県震災復興会議(議長・小宮山宏三菱総合研究所理事長)の第2回会合が3日、東京都内のホテルで開かれ、県は住宅の高台移転などを盛り込んだ「県震災復興計画第1次原案」を示した。大津波に襲われた沿岸部で、住居と職場を分ける「職住分離」を進める県方針に対し、複数の委員が「コミュニティーが壊れる」と異論を唱えた。
1次原案で県は、沿岸部の住宅や学校、病院などは高台に移転する方針を明記。港に津波避難ビルを整備し、水産関係者は高台から通勤する「宮城モデル」のまちづくりを構築するとした。
公共政策に詳しい千葉大教授の広井良典委員は「職住分離を強調した原案には違和感がある。最近のまちづくりは、コミュニティー分断を懸念し、職場と住居をあまり分けない」と指摘した。
建築家の岡田新一委員も「三陸沿岸の高台にどれだけの土地があるか疑問だし、自然破壊という次なる災害をもたらす恐れも多分にある。都市計画の基本を曲げてはならない」と再考を促した。
日本総研理事長の寺島実郎委員は「海から離れたがらない漁業者もいる。職住分離と決めつけずに、地域で考えさせてはどうか。『安全な職住近接』という考え方もあっていい」と強調した。
村井嘉浩知事は「遠く離れた場所に住み、何時間も掛けて通勤するわけではない。職場まで車で数分の近隣に暮らすが、津波の再来も想定し、場所は安全な高台という意味だ」と理解を求めた。
第3回会合は7月13日に都内で開く。県は7月上旬に第2次原案を取りまとめ、8月下旬の第4回会合を経て、県議会9月定例会に最終案を提出する。
2011年06月04日土曜日
チームサケ:集落のための東日本大震災復興支援サイト
team SAKEは、人・モノ・技術・知識などを通じて、三陸のみなさんの「望み」が少しでも実現するよう動いています。
集落を訪問し、対話を通じてそれらの「望み」に触れながら、それを全国のみなさんと共有し、御協力いただきながら、形にしていくプロセスに関わっていこうと思います。
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