小谷鳥のおばあちゃんは元気でした。
薪ストーブを囲んだ居間も、そのままだった。
歴史のある家は、夏でもひんやりとするので、明け方と晩には火をおこす。
毎月届くサケメンバーからの手紙は、なによりも嬉しい。
男手を流されてしまった今では、豊間根に住む娘が心配して、一緒に住んでくれる。
部落では16人が流されたが、まだ一人も見つかっていない。今では奥の5軒だけが残っている。下の家に住んでいた猫が逃げてきたのに、可哀想だからと残り物をあたえてきた。今では子猫がたくさん生まれ、ひ孫が来るたびに可愛がってくれる。
半農半漁で生活してきた部落。農地には水が被ってダメになった。再生させる案もあるようだが、行政の動きがどうなっているのか、よくわからない。
部落で家を流された人たちは、残った5軒とは離れた所に移転するようだ。
去年何回か訪れた時は、おじいちゃんがいた頃に割ってくれていた薪が、家の前に高く積まれていた。今ではだいぶ減ったような気がする。
流失した製材所からもらったり、裏の山からとってきたりしていた薪を割ることは、もうできない。
この薪が無くなったら、小谷鳥を離れ、おばあちゃんを豊間根に連れて行こう。娘さんはそう考えている。
teamSAKE 足立
チームサケ:集落のための東日本大震災復興支援サイト
team SAKEは、人・モノ・技術・知識などを通じて、三陸のみなさんの「望み」が少しでも実現するよう動いています。
集落を訪問し、対話を通じてそれらの「望み」に触れながら、それを全国のみなさんと共有し、御協力いただきながら、形にしていくプロセスに関わっていこうと思います。
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